日 本 橋 T
「お江戸日本橋七つ立ち…」七つ(午前4時頃)ならぬ小雨の午後、
「日本橋に越後屋復活」の新聞記事を読んで、急に日本橋に行きたくなりました。
そう言えば、学生の頃に三越に行ったことしか記憶にありません。
東京に住んでいながら何ということか。いざ、東京の原点へ。
■京 橋
まずは京橋から日本橋に向かいます。
これは高架下に保存されている京橋の親柱。明治8年当時の石造り。
擬宝珠(ぎぼし)の形は、江戸からの伝統を引き継ぐのもの。
昭和34年の京橋川埋立てにより撤去されたました。
この柱を右手に見ながら、次なるポイントの八重洲に向かいます。
■ヤン・ヨーステン碑
八重洲通りを渡る途中の緩衝帯に「八重洲」の地名の元になった「ヤン・ヨーステン」
の碑がありました。どうやら波乱万丈の生涯だったようです。
オランダ人。ウィリアム・アダムズ(三浦按針)とともに難破。徳川家康の信任を得て、
和田倉門外堀に住む。この付近は彼にちなんで八重洲(ヤヨース)河岸と呼ばれ、
これが訛って「八重洲」に。
帰国にトライしたけど失敗し、日本に帰る途中で溺死したそうです。
■日本橋入口
さて、いよいよ日本橋に近づいてきましたが、巨大なキリンが出現。
高貴そうな冠をつけて、何だか偉そうです。
■高島屋
昭和8年築。ずいぶん古い建物なのですね、
「薔薇の包みのたかしまや〜」というテレビCMが耳に残っています。
「たかしまや」は、天保2年に京都の古着・木綿店として創業。
日本初の冷暖房完備や日本橋店屋上での象の披露など、話題を提供。
■常盤橋
明治10年に改築されたという、日本橋より古い橋。
個人的には、こちらの橋の方が趣があって好みです。欄干の曲線がよい。
この橋の袂に佇む貴婦人の幻影を見たような気がしました。
向こうに見える緑の屋根の建物はあの「日本銀行」。
後でゆっくり行くことにします。
■新旧常盤橋
新しい常盤橋から古い常盤橋を望む。明かりが灯っていい感じ。
それにしても、例によって首都高速が邪魔。醜悪なコンクリートの塊が
東京の空を塞いでいます。東京から首都高速と電柱を無くしたい!!
■常盤橋近く
今日は一体なんの行事なのでしょう。一般都民と思しき人たちの
乗るボートが何艘も下っていきます。
災害時の訓練かな?
■一石橋迷子しらせ碑
日本橋のとなりの橋、一石橋の袂にある安政4年に建立された迷子の告知板です。
左面に「たつぬる方」、右側に「志らする方」
と刻んで、年頃、特徴などを書いた紙を貼るようになっています。
小さい頃に迷子になりかかったことを思い出して、切なくなりました。
■本当の日本橋
さて、いよいよ日本橋です。
まず首都高速が架かる前の写真をどうぞ。
どうです? 広々として気持ちよさそうじゃないですか?
東京都がお持ちの写真のようですが、何年頃ですかね。
■日本橋01
さて、現在の日本橋です。
いかがですか? 息苦しくありませんか?
空を返してくれと思いませんか?
すべての道の起点がこんなに窮屈なのは悲しいのです。
■日本橋02
気をとり直して橋に近づいてみます。
1603年、慶長8年に江戸開府とともに架橋され、以降19回も改築されてきました。
現在の橋は、明治44年のものだそうです。
さすがに立派なものでした。
日本橋Uへ
撮影データ
2005.10.16 , NIKON D70 , 24-120mmVR