目　黑

目　　黑

落語の「目黒のさんま」に因んで、秋刀魚の炭火焼を振舞っているニュースを見ました。
目黑は、東側の自然教育園や白金は散歩したけど、僕の中での「目黑」というイメージではない。
じゃあ目黑って?　そこで「目黑」探しの散歩に行くことにしました。

■行人坂

目黒駅を出て、権之助坂の手前の小路を入ると、そこは行人坂。

寛永の頃、出羽(山形県)の湯殿山の行人が、大日如来堂を建立して修行を始め、
次第に多くの行人が集まり住むようになって、行人坂と呼ばれるようになった。
徳川家康がここらのヤンキーを一掃するため行人を呼んだらしいのです。

■大円寺01

大円寺の石仏群その１ -水子地蔵-

行人坂の途中に大円寺というお寺がありました。
境内に入って左を見たら、いきなり異世界にワープ。
手前に大きな水子地蔵があるけど、バランスが悪かったので省略しました。

水子に見立てた(?)お地蔵さまの赤い頭巾が可愛いけど、なんか、ちょっと怖いような…
橋の向こうは彼岸?

■大円寺02

大円寺の石仏群その2 -五百羅漢-

この寺が火元となった明和の大火(行人坂火事)で焼死した人々（15,000人!）
を弔うために造られました。
遠く千住まで帯状に広がる大火だったようです。
火元といっても、寺に盗みに入った泥棒が火をつけたものです。念のため。

■大円寺03

大円寺の石仏群その3 -とろけ地蔵-

その名も「とろけ地蔵」。その昔、漁師の網に引っかかってきたというお地蔵さん。
庶民の悩みを解消してくれるらしい。
このほかにも、七福神、道祖神、六地蔵などがあり、お勧めのお寺です。

■目黑雅叙園01

大円寺の隣（坂下）に目黑雅叙園があります。ここは館内がさながら美術館。
残念ながら、国の登録有形文化財がある保存建築部分の「百段階段」や
「漁樵の間」などは普段は公開されていません。いつか見てみたい!

玄関から入ってくると、このような回廊が見えてきます。
錦絵というか浮き出ているので、大きい羽子板のようです。

目黑雅叙園　http://www.megurogajoen.co.jp/

■目黑雅叙園02

雅な回廊を進んでいくと「招きの大門」が見えてきます。
光と影の演出に加え、挙式も多いのか、礼服の人も行き交い、
何だか厳粛な気持ちになってきました。

ちなみに、目黑雅叙園は日本で最初の結婚式場といわれています。

■目黑雅叙園03

この螺鈿の絵はどこにあると思いますか？
答えは「トイレの中」です。　たまたまトイレに入ってビックリ！　
一瞬間違えたかなと思ってしまいました。さらにトイレの中を進むと…

■目黑雅叙園04

トイレの中に架かった橋（!？）を渡って、何気なく天井を見て
またまたビックリ。　天井一面に錦絵が！
この写真のような絵が何枚も連なっているのです。　

まあ、落ち着かないといえば落ち着かないのですが…
女性のトイレの中はどんな趣向が？　うーん、見てみたい。残念！

■目黑雅叙園05

トイレから出て、ラウンジ「パンドラ」ごしに見える滝です。
珈琲を飲みながらぼーっと眺めていると、時のたつのを忘れてしまう。
さて、ランチにクロワッサン・サンドイッチでも食べようかな。

■太鼓橋

目黒太鼓橋夕日の岡－名所江戸百景　広重－

雅叙園を過ぎると目黑川に架かる「太鼓橋」。写真はない。どこにでもある橋だった。
どうして今の日本はすべて機能的に作ってしまうのかな。
まあ、車が通れないと困るだろうけれど。

トップにある橋の写真は、多分、目黑新橋です。あしからず。

■看　板

太鼓橋を渡って左に行くと、何だか看板だらけの店がありました。
飲み屋さんのようですが、鉄道と看板のマニアでしょうか。
米沢の出身なのかな。でも、これを見て懐かしいと感じたあなた。
そういうあなた自身がすでにレトロですから～残念！

■成就院たこ薬師

目黑不動尊への参道の途中に、たこ薬師という変な名前のお寺がありました。
ご本尊の、蛸に乗った薬師如来が福を吸い寄せるということです。
慈覚大師が唐からの帰路、荒れた海を沈めるため投げ入れた如来像を、
後から蛸が日本に届けてくれたそうです。

目黑区商店街オフィシャルサイト　http://www.meguroku.com/column/

目黑不動尊_仁王

■目黑不動尊　仁王像

いよいよ目黑不動尊（滝泉寺）に着いて、山門の仁王さんを撮影。
金網がちょうどよい前ボケになって、いい感じ（自画自賛）。

五色不動（目黒・目白・目赤・目黄・目青）のひとつとして、江戸城守護、
江戸から発する五街道の守護に当てられました。いつか五色制覇したい。

目黑不動尊_水かけ

■目黑不動尊　水かけ不動尊

開祖の慈覚大師が独鈷を投げてお堂建設の場所を占ったところ、
滝泉が湧き出した（独鈷の滝）。そこで、目黒不動さんとの縁を結び大願成就するように
身代わりになって、水を浴びてくださる「水かけ不動明王」が建立されたそうな。

水をかけているところを撮り損なった一枚です。

■目黑不動尊本堂

長い階段を上がってやっと本堂に着きました。お堂だけに、堂々としています。
木陰で汗をふきながらのむ缶コーヒーが最高でした。

結局、僕にとっての目黑は「秋刀魚」ではなく「缶コーヒー」なのでした。

撮影データ
2005.09.18 , NIKON D70 , 24-120mmVR